築15〜20年前後の住宅で注意したいポイント

◆ 症状

富山市太田北区の築17年のお宅から、キッチンで水を流すと逆流し、シンク下から床が濡れてくるというご相談をいただきました。 床材の隙間から水がにじみ出る状態で、放置するとフロア材の腐食やカビの原因にもなる状況でした。

上から降りる蛇腹ホースと床下から立ち上がる縦配管の接続口から排水がにじみ漏れ、床に広がる様子を示すイラスト
蛇腹ホース接続部から排水がにじみ出て床に広がる様子

 

 

◆ 現場確認で分かった排水構造の問題

排水経路を確認したところ、今回の逆流は排水構造そのものが原因でした。

この住宅では、キッチン、浴室、洗面、洗濯機の排水が家の内部で横引き配管により合流し、そのまま外の埋設管へ接続されていました。 洗濯機と洗面の合流は一般的ですが、家の内部で全ての水回りを合流させて埋設管へ直結する構造は、昭和の古い住宅で見られた方式です。

築17年(2005〜2010年頃)の住宅としては、当時の基準から見ても詰まりやすい構造と言えます。 さらに、外にある汚水桝は1つだけで、トイレ専用の桝も無く、排水経路の途中で点検できる箇所がほとんどありませんでした。

 

◆ 当時の建築事情から見ても異常だった排水構造

築17年ほど前の住宅でも、今回のような排水構造は当時の基準から見ても異常と言える内容でした。

この時代の新築住宅では、外に複数の汚水桝を設けて点検や清掃をしやすくするのが一般的でした。 しかし今回の住宅は汚水桝が1つだけで、トイレ専用の桝もありませんでした。

庭に十分なスペースがあるにもかかわらず桝を設けていない点から、コスト削減を優先した施工だった可能性が高いと考えられます。

その結果、排水経路の途中で点検できる箇所が無く、詰まりが発生した場合は原因特定が難しく、状況によっては掘削が必要になるなど、詰まって当然の構造と言えます。

当時の建築事情を踏まえても、今回の排水設備は珍しくはないものの、明らかにメンテナンス性の低い構造でした。

 

◆ 作業内容

まず唯一の汚水桝を開けて内部を確認し、蓄積していた油脂と汚泥を清掃しました。 その後、横引き配管から埋設管にかけて高圧洗浄を実施し、合流部に固着していた油脂の塊を除去しました。

 

◆ 結果

作業後にキッチンで水を流して確認したところ、逆流は解消し、床が濡れる症状も収まりました。 排水の流れは安定し、ボコボコ音や水の戻りも無くなりました。

ただし、排水構造そのものが横引き合流と桝1つだけというメンテナンス性の低い設計であるため、今後も汚れが蓄積しやすい状態であることに変わりはありません。

 

◆ 築15〜20年前後の住宅で注意したいポイント

今回のように、築15〜20年前後の住宅では以下のような排水構造が残っていることがあります。

汚水桝の数が少ない 家の内部で全水回りが横引き配管で合流している トイレ専用桝が無い

こうした構造の家では、詰まってから対処するのではなく、詰まる前に点検や洗浄を行うことが重要です。